目次
新しい時代の前に生まれるベストセラー『サピエンス全史』
ユヴァル・ノア・ハラリ氏 私たちは最後のホモ・サピエンス世代?
時代の変わり目に新しい時代のコンセプトになる本がベストセラーになる法則。
フランス革命の前にはモンテスキューの『法の精神』やルソーの『社会契約論』
ロシア革命の前のマルクスの『資本論』。
現在では、データ社会の到来を書いている「サピエンス全史」ーではないか。
2016年に出版され、難解な本なのに、世界で1600万部以上売れるベストセラーになっている。
日本ではNHKがハラリ氏に取材しているし、中田敦彦さんはじめの本の要約動画も多数出ている。
「サピエンス全史」の著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、オックスフォード大学、イスラエル大学を出ている歴史学者、哲学者のイスラエル人。
彼は、これから来る未来について「データを多く持つ人が地球を支配する」と言っています。
データをコントロールする人たちが未来をコントロールし、人類だけでなく、命ある生き物全体の未来をコントロールすることになると言っています。
これは支配層が掲げている超監視社会の世界統一政府をイメージさせる。具体的にはどういうことなのか。
Youtubeに彼の講演会の動画がありました。
動画(前半)= h△ttps://youtu.be/YVNToLeN1l8
ホモサピエンス最後世代になる皆さんへ|ユヴァル・ノア・ハラリ| ホモサピエンス | Yuval Noah Harari |日本語字幕 | 英語字幕|
動画(後半)=h△ttps://www.youtube.com/watch?v=6Pn14VVxZr8
ホモサピエンス最後の世代になる皆へ(2)|ユヴァル・ノア・ハラリ| ホモサピエンス | Yuval Noah Harari |日本語字幕 | 英語字幕|
ホモサピエンス最後世代になる皆さんーこのタイトルが既に意味深。
話の内容もまさにムーンショット計画に通じるものがあります。
データを持つ人が地球を支配する?
ハラリ氏曰く、次世代は体と脳、そして心を設計する時代。
織物や車や武器ではなく、それが経済的に主要な製品になるというのです。(AIロボットということ?)
古代では土地が最も重要な資産でした。
土地をたくさん持つ人は貴族となり、貴族と庶民に分かれました。
次は機械。機械を多く所有する人は資本家となり、資産家と労働者に分かれました。
現在では機械に変わってデータが最も重要な資産になってきている。
もし多くのデータが少数の人の手に集中するようになった時どうなるのか。
データの場合、今までのように人類はクラス分けされることはない。
そのかわり、「データは種を分けて、異なる種になるでしょう」。
(つまり、データを入れたトランスヒューマンとデータを入れない天然の人間で分けられるということ?)
データによって人間がハッキングされる?
ハラリ氏は、今後は、コンピューターだけではなく、人間や他の生物もハッキングできると言っています。
今まではハッキングされるといえば、パソコンやメール、銀行口座、携帯電話などでしたが、実は人間をハッキングする能力もすでに獲得しているそうです。
人間をハッキングするとは?
ハラリ氏がいう人間のハッキングは、買った、行った、話した、書いた、などのデータを分析するのではなく、生体データ(血圧、心拍数など、その人の体と脳内のデータ)を分析することで、その人がどういう人であるのか、その人以上にわかってしまうのだそうです。
例えばハラリさんは21歳の時、自分が同性愛者であることに気が付いたといいます。
何年も否定的に生きているゲイの男性は、自分自身について非常に重要なことを知らないのだといいます。
コンピューターサイエンスの進歩と、特に機械学習とAIの発展、 計算能力の飛躍によって、本人以上に(機械が)自分のことをわかってしまう。
その計算式は以下のようになるそうです。
biological Knowledge(生体知識) × computer power(コンピュータの計算能力 )× Data(データ)
=Ability to hack(ハッキングする能力)
ハッキングとは?
高度な知識や技術を用いて、コンピュータやコンピュータネットワークの解析・改造・構築などを行うことをいう。
ハラリさんはさらに、
『何かをハッキングできるようになったら通常それを設計することもできます。』
とも話しています。
目の動き、血圧、脳の活動を分析、あなた以上にあなたを知るアルゴリズム
ここから下は、ハラリさんが言った通りを抜粋して書き出しています。
150年の生物学的研究を要約すると、
チャールズダーウィン以来のことを3ワードで「生物はアルゴリズムである(organisms is algorithms)」といえる。
ウイルス、バナナ、人間であろうと生物全体は、それらは実際に単なる生化学的アルゴリズムで、私たちはこれらのアルゴリズムを解読する方法を学んでいます。
あなたがネットサーフィンする時、ビデオを見たりSNSをチェックしたりすると、そのアルゴリズムはあなたの目の動きを監視します。あなたの血圧と脳の活動そして彼らはわかるでしょう。彼らはコカコーラに伝えます。もしこの人に売りたいならファジーな甘い飲み物をと。シャツを着てない女性の広告は使わず上半身裸の男性の広告を使用してください。あなたはこれが起こっていることさえわからないでしょう。しかし彼らは知っています。そしてこの情報は数十億の価値があります。自分を理解できるアルゴリズムがあると自分自身を理解するよりもです。彼らは私の欲望を予測することができて、感情を操作し私に代わって決定を下すことさえできるかもしれません。
ハッキングされていることにも気づけず、感情を操作されていることも気づけない、いつの間にか自分がコントロールされていたとしたら。
それでも、気づいていないなら、それすら疑問に思えない、悩むこともない、知らなければ幸せ?
なかなか不気味な話しです。
データ社会の中では、情報が一元化される独裁政権の方がいい?
ここでビルダーバーグ倶楽部などで世界の支配層の人たちが計画している未来、監視社会につながる話しになります。
データ社会における民主主義と独裁政権について。
はっしょっていうと、20世紀は民主主義の方が経済も上だったし、情報は分散型で良かったけれど、21世紀のAIと機械学習の技術革命が起こった際には、情報が一元化する独裁の方がいいと判断されるかもしれないと。
そうなると、民衆はデジタル独裁の支配下に置かれることになる。
それは、民主主義政府であっても洗練された監視体制を形成するようになる。
例えば、米国はグローバルな監視体制を構築しているし、ハラリさんの母国イスラエルもウェストバンクの相互監視体制を建設しようとしている、つまりすでに監視体制は作られつつあると。
日本でも監視カメラがあちこちにつけられていますが、これも監視体制を構築している過程とも考えられますね。
そして、生物をハッキングできるようになったら、通常それを設計することもできるとも言っています。
ここがよくわからないところなのですが、今までの40億年間は生物は生命の基本的な、有機生科学の法則に従い、自然淘汰されてきましたが、その法則を「インテリジェントデザインによる進化」に置き換えるというのです。(?)
この辺、実際にハラリさんの話を聞いてみてください。
こんなことを言ってます。
雲の上の上インテリジェントデザインではなく、私たちのインテリジェントデザインです。
ITクラウドのインテリジェントデザインです。
IBMクラウド、Microsoftクラウド、これらは進化の新しい原動力です。
生体データを取ることでデータを所有する人はその人の行動パターンや何に意識するのか、何を好むのかなどを知ることができるようになる。
だから、このデータの所有権が非常に重要になってくる。
これを規制しなければ、少数のエリートにコントロールされるかもしれないとハラリさんは言います。
(自分を動かすのがデータをいじくる誰か他の人ということになるのか。)
そこで必要になるのが規制。
かつて私たちが土地や機械の所有権を規制したように、データも少数のエリートにコントロールされないように規制しなければいけないといいます。
ただし、私たちにはデータの集計を規制する経験がないし、今までのようになやり方の規制はできないそうなのです。
その理由について、ハラリさんは、
なぜなら土地や機械とは異なり、データはどこにでもあるようでありません。
同時にそれは高速で動くことができます。
必要な数のコピーを作成できます。私のDNAに関するデータもそうです。
私の脳、体、人生、それは私のものなのか?
あるいは何かの企業のものなのか?それが政府のものおそらく人間の集合体のものなのか?
現在企業は多くのデータを保持しています。
そして人々はそれを不安になっています。
しかしいつか政府はデータを国有化し、大企業の力を管理するかもしれません。
自分たちのデジタル独裁を生み出すためにです。
政府が大企業の上に来るとは思えません。なぜなら莫大なお金で政府を動かしているのは企業だから。
そうなると大企業と政府で、庶民はコントロールされることになるのか。
もちろん政府が良いリーダを持てば、それはいい方向へ使われるかもしれません。
が、スターリンのような、北朝鮮のような全体主義体制の国で使われた場合、生体認証のブレスレットの着用義務が課せられ、血圧、心拍数の活動を監視され、自分の本当の感情というものが常に丸見えになってしまうのです。
そうなれば政権に怒りを感じているものは、そのまま炙り出されて強制労働所に送られるかもしれない。
上流階級なら大丈夫かと言えばそうでもない。
スターリンが相互監視システムを最初に取り入れたのは共産党のエリートメンバーに対してでした。内部からの裏切り者を監視するために。
つまり、上も下も人間は監視される社会になるのです。
さらに権力者はデータを利用したアルゴリズムを使い始め、どこで働き誰と結婚するか、雇用主はあなたを雇うかどうかをアルゴリズムに聞き、住宅ローンを組ませるかどうかもアルゴリズムが決定するようになる。
どうして採用されなかったのか、どうして住宅ローンを組めなかったのかを尋ねると返ってくる答えは全て「コンピューターがノーと言ったから」という理由になる。
これは中国ですでに実行されている信用スコアのことですね。
頭の中まで見られて、政府に反抗的なら信用スコアが低くなり、スマホの着信音まで違うし、その人と付き合うと友達までスコアが低くなるーそんな社会。
中国では信用スコアが高いことを自慢する人も多くいるみたいですが、AIが集めたデータで自分が評価される社会はまさに支配層にコントロールされる奴隷では。
ハラリさんは、このほかにもAIの発達により人間の仕事がなくなる未来、デジタル植民地になる国家が生まれる可能性などについても話されています。
このデータの取り扱いのために統一政府が必要であるようなことも言われています。
サッカーのワールドカップのように、きちんとサッカーのルールを決めた上で、それぞれの国が自国のために戦うような感じでの統制が必要だと言っています。
でも、そもそもこういうことが水面下で、庶民には知らされずに進行していたとしたら・・、私たちには法整備を求めるほどの意識が働くのだろうか。
もっと詳しく知りたい方は是非動画の方を見てください。
現実の世界では、2019年、安倍元総理がデータについてこんなことを演説しています。
2019年、安倍元総理が語った未来
2019年、安倍元総理が世界経済フォーラムで演説した内容。
これから何十年という間、私たちに成長をもたらすもの、それはデジタル・データです。
AI、IoT、そしてロボティクス。データが動かすSociety 5.0は、都市に新たな現実をもたらすでしょう。
私たちの新しい経済にとってDFFTが、つまりData Free Flow with Trustが最重要の課題となるような状態のことですが、そこには、私たちはまだ追いついていないわけです。
DFFTについては、経団連のHPに以下のような説明が書かれていました。
DFFTとは、「プライバシーやセキュリティ・知的財産権に関する信頼を確保しながら、ビジネスや社会課題の解決に有益なデータ が国境を意識することなく自由に行き来する、国際的に自由なデータ流通の促進を目指す#6」とのコンセプトである。
データに関しては、こんな財団もできていました。
一般社団法人データ社会推進協議会

こちら↑にはメンバーになっている大企業の名がたくさん書かれています。
先日、政府は保険証をマイナンバーに紐づけるマイナ保険証を来年にも導入すると言いました。
庶民には説明がないまま、明らかに企業と政府でデジタル国家に向けて進んでいます。
これは、頭の中にチップ(デバイス)を入れて、チップを使って通信しているのでしょうか。

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